2010年05月30日

私的、広島と映画とアニメーション論 23 こんにちはハーネス−3

こんにちはハーネス−3

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 1983年1月14日に製作発表(東京)山本薩夫監督出席。2月4日推進委員会議(千葉、ロケ地銚子)。2月18日宣伝会議(東京)。2月27日子役オーディション(千葉県)。3月7日関西中四国会議(大阪)。3月22日製作スタッフ会議(東京)。4月1日クランクイン(千葉勝浦)。4月16日第2回推進委員会議(千葉県)。5月5日全国理事会(箱根)。6月2日全国理事会(箱根)。6月3日ポスター作成(東京)。6月25日初号試写(東京)。7月3日完成試写、ヤマハホール(東京)。

完成試写会で私の挨拶。
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 映画センター10周年の歩みを記念して、映画製作をと、全国各地から企画を募集し論議を重ね、後藤監督からの企画『こんにちはハーネス』に取り組むことを決定しました。映画センターのまわりの人たちに、この映画への製作・上映支持をよびかけたところ、早速、シナリオ検討会、シナリオテープの回し聞き、撮影現場への激励、成功させる会の結成等、多くの方々から協力をいただき、映画完成にこぎつけました。ありがとうございました。
 子どもたちによい文化(映画)を届ける仕事が----この映画『こんにちはハーネス』をみた子どもたちの心の中に、盲人の方々への理解、障害を持つ人々への思いやりが根づく----ひとつの手助けになればと願っています。企画から映画完成まで2年を経過しました。いま、全国で150万人の人々にこの映画を届けるスタートラインに立っています。
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 広島県の普及目標は8万人とした。

 7月12日後藤俊夫監督を迎え、松竹東洋座で完成披露試写会。

 内海巌さん(広大名誉教授)・中村忠良さん(広島県盲人協会会長)を代表、大和喜久男さん(広島市市子連副会長)を事務局長に3月18日結成された『広島上映を成功させる会』のメンバーは映画を観て、県内普及目標を15万人に変更。

 プロデューサーの私を支えてくれた広島映画センターのスタッフは、社長の小森宏子、営業部長の田辺昭太郎、興行部長の杉本雅子、広島市担当の渡部文明・奥谷義行、西部担当の牛尾英隆、ブック担当の友川千寿美・豊嶋保子さん8人。

 この年の12月31日の集計では、劇場上映(松竹名画座)1週間、174ヶ所で上映。5万4134人に見てもらった。

 製作協力券(1000円)は4059枚普及。

 上映は、小・中学生1人250円、高校生1人350円。学校規模に関わりなく、映写料は無料で進めた。(劇場は除く)



posted by T.K at 16:19| Comment(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月23日

私的、広島と映画とアニメーション論 22 こんにちはハーネス−2

22 こんにちはハーネス−2

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かいせつ

 この映画は、全国各地で“草の根”の上映運動を進めている映画センターがそのスタート(1972年)から10周年を記念して企画製作した。
 監督は1982年度芸術選奨文部大臣新人賞に輝く後藤俊夫監督のオリジナルによる新作。「国際障害者年10年計画」のなかで、視覚障害者の問題にスポットをあてながら、人間の生きることのすばらしさ、思いやりの大切さを感動こめて描いたドラマ。
 主演には、「無名塾」のホープ中村明美さん。NHK朝の連続ドラマ「まんさくの花」の主演でデビュー。
 製作はこぶしプロダクション。

ものがたり

 静かな海辺の街で育つ次郎は、ジロ吉というあだ名のワンパクな小学5年生。海辺の別荘から流れてくる美しいピアノの音色―その音の主である美しい女性砂絵子に、偶然の出会いからあこがれをいだくようになった。彼女と仲良くなっていくきっかけは、可愛いい仔犬であった。その名はハスティ。
 
 美しく明るい砂絵子と元気なジロ吉、そしてハスティのふたりと一匹の楽しく愉快な毎日は、そうして始まった。

 砂絵子のピアノを聞かせてもらっているうちにハスティがいたずらをして大あわての失敗も。時には一緒に海辺を散歩したり、海水浴にいったり、次郎の父の船にのって魚とりを見たり・・・・そんな日々がつづいた。

 ある日突然、不幸な事故が砂絵子をおそった。深い悲しみにおそわれたジロ吉は、それをふり払うかのようにハスティの飼育に打ちこむ。・・・・・・・。

 一方、砂絵子は一命はとりとめたものの、視神経に障害をうけ、視力を失うというつらい日々を送っていた。生きがいであったピアノをあきらめなければならないという現実に希望をなくした彼女は死ぬことまで考えたが・・・・・。

 そして一方、ハスティも成長し本格的な盲導犬の訓練をうけるため、盲導犬協会へ戻されることになり、ジロ吉は涙を流しながらもハスティと別れる決意を固めていく・・・・・。

 そこで次郎は、ハスティを砂絵子のために役立てようと考え、盲導犬協会に頼みこむ。その願いが実現し砂絵子もきびしい訓練をうけてハスティと共に自立の歩みをはじめる。

 そして念願のピアノ・コンクールに出場した砂絵子は、入賞の栄誉を手にし、次郎も感激をともにしながら、新しい歩みへとふみだしていく・・・・・。

スタッフ

製  作 小森 敏廣
     大澤  豊
原  作 後藤 俊夫 (汐文社刊 「こんにちはハーネス」)
脚  本 長坂 秀佳
監  督 後藤 俊夫
撮  影 山本  駿
音  楽 羽田健太郎
照  明 伴野  功
美  術 永沼 宗夫
編  集 鍋島  惇
記  録 江連みね子
助監督  池田 博穂
製作主任 拓植 靖司
ピアノ演奏 木下まさみ

キャスト

中村 明美
斎藤 優一
井川比佐志
藤田 弓子
河内 桃子
江藤  潤
鈴木 瑞穂
柳澤 慎一
山本  圭
前田  吟

千葉県の子どもたち

企画・製作/映画センター全国連絡会議
製作/こぶしプロダクション
カラー作品/スタンダードサイズ
上映時間1時間30分



posted by T.K at 11:56| Comment(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月16日

私的、広島と映画とアニメーション論 21 こんにちはハーネス−1

21 こんにちはハーネス−1

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 1982年4月1日、広島映画センターが10周年を迎えたことは書いたが、全国映画センターも6月に10周年を迎えた。私は全国映画センターの副議長。映画センター十周年記念映画「こんにちはハーネス」を製作することになりプロデューサーを引受けた。

 1981年5月、十周年記念映画製作を決め、企画を全国から募集し、「こんにちはハーネス」に決め、1983年1月14日に製作発表を行った。その時の決意は

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 私は広島映画センターの皆さんの協力、支持を得て、この記念映画の製作担当(プロデューサー)を引き受けました。

広島映画センターと映画製作は、

1975年「猫は生きている」
 撮影見学、製作協力券の普及、県内13ヶ所の完成試写会、県内15万人への普及
1976年「ふたりのイーダ」
 広島ロケの協力、朝日会館での劇場上映。
1980年「青葉学園物語」
 原作者吉本氏との製作発表、市子連の製作協力、広島でのオールロケ、製作協力券4万枚の普及、50ヶ所の完成披露試写会から劇場上映、県内10万人への普及。

と、三本の作品を中心に記録映画へのかかわりを含めて数多く経験していますが、広島を離れて(テーマ・ロケ地は千葉の海岸)の製作は今回はじめてです。よい映画を広島県内に、全国に広めていく決意です。
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全国映画センター総会決定を引用すると。

@ 全国映画センターで自主製作する。
・ 作品は「こんにちはハーネス」児童映画
・ 監督は、後藤俊夫(「こむぎいろの天使」「マタギ」)
・ 著作権は、全国映画センターにある。
  企画・製作 映画センター全国連絡会議
  制作    こぶしプロダクション
・ 製作費 直接費 6500万円
       間接費 1000万円
・ 映画の完成は 1983年6月

A 映画センター十周年記念映画製作委員会を設置する。
・ 製作委員会は、十周年記念映画の製作に責任を持つ。
・ 製作委員会と各総合映画センターと配給契約を結び、空白の県は、製作委員会が行
  う。
・ 製作委員会は、一口100万円の出資を募集し、出資した理事によって構成する。

製作委員会の体制
委員長 小森 敏廣 プロデューサー

B 推進委員を各都道府県に一名配置する。

「こんにちはハーネス」普及計画
「こんにちはハーネス」の映画製作を新たなセンター運動を切りひらく作品として位置付け、1983年8月から1984年4月の総会までに150万人に普及する。各県において人口の2%に普及する。

とした。

 私は「こんにちはハーネス」映画製作のプロデューサーとして、また同映画の広島県内の普及に取り組んだ。



posted by T.K at 17:36| Comment(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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