2010年09月27日

私的、広島と映画とアニメーション論 38 第2回広島国際アニメーションフェスティバル

38 第2回広島国際アニメーションフェスティバル
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(広島厚生年金会館)

 1987年8月21日〜26日 広島厚生年金会館にて第2回国際アニメーションフェスティバル広島大会が開催された。(第1回開催場所の広島市公会堂は老朽化のため取壊し広島国際会議場に1989年生まれ変った。)
 1987年1月31日 中国新聞
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「愛と平和」をテーマにことし八月、広島市中区の、広島厚生年金会館で開かれる第二回国際アニメーションフェスティバル広島大会の開催概要が決まり三十日、大会副会長のアニメ作家の久里洋二さん、木下蓮三さんらが東京・内幸町のプレスセンタービルで発表した。

 開催期間は八月二十一日から二十六日までの六日間。審査委員は世界のアニメ映画祭大賞を総ざらいしているソ連の巨匠ユーリ・ノルシュテイン氏をはじめ、中国の漫画家・特偉氏、日本の劇作家飯沢匡氏ら七人に決定。特別ゲストとしてイギリスのアニメ作家ジョン・ハラス氏が来日する。

 既に作品の公募を始めており、応募点数は六十年の第一回大会(三十六カ国から四百五十一本)より大幅増を見込んでいる。五月に一次審査をして約八十本を選び、八月の本大会で一般公開しながら本審査をする。
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 5月、広島市映像文化ライブラリーで開催された第一次審査は日本のなみきたかし氏ら五人の選考委員が、世界35カ国から集まった334本の作品から58本を選び、国内からは44本の応募作品うちから5本選ばれた。

 8月21日からの本審査の国際審査委員(フランスのニコル・サロモン氏ら七人だったが飯沢匡氏は体調不良のため辞退)の一人で、前回大会で「おんぼろフィルム」でグランプリを受賞した手塚治虫さんは
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平和都市広島に再びアニメの夏がやって来た。反核、平和、友好をアニメの言葉で語り合うために世界の作家、技術家、ジャーナリストが集まる。子供たちの娯楽やマニアの趣味としてだけでなく、新しい映像言語としての地位を確立する時なのだ。おそらく、今回のプログラムを見た人々は、誰でもそれを感じとってくれるにちがいない。
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と広島市民にメッセージを寄こされた。

 『悪魔の発明』のカレル・ゼーマン氏が国際名誉会長として来広され、氏の代表作品(水玉の幻想、クラバート等)が上映された。また、ASIFA名誉会長のジョン・ハラス氏も来広。氏の代表作品(珍説・世界映画史、ジレンマ等)が上映された。

 特別企画として、人形アニメーションの大家川本喜八郎さん、デザイナーの和田誠さん、女優で名司会者の黒柳徹子さんの3人が語るアニメーションの世界は大好評でしたし、開催中、毎日発行されたDaily Bulletinの編集責任者におかだえみこさん。英語版も発行された。

DAILY BULLETIN NO.6 によれば
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入場者数、前回を上回る
 連日、好調の入場者数は、24日<子供のためのプログラム>でピーク。午前、午後を通算して実に、4500人の入場者、これで前回の全日程の記録を軽く更新。その上いい作品が集まったので、子供たちの反応もよく、静かに見てくれました。関係者一同大喜びです。
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 そして、グランプリは「クラック!」(1980)「木を植えた男」(1987)で二度もアカデミー賞短編アニメーション賞受賞のフレデリック・バック監督の「木を植えた男」でした。

 第2回広島大会のフェスティバルディレクターには後藤田純生、木下小夜子、田辺昭太郎(広島映画センター)、片山雅博氏の4人が担当した。

作品の応募点数は前回より減少したが、大会は質量ともに充実し大成功でした。



posted by T.K at 10:26| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月19日

私的、広島と映画とアニメーション論 37 アヌシー国際アニメーション映画祭

37 アヌシー国際アニメーション映画祭

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 1987年5月28日〜6月2日、アヌシー国際アニメーション映画祭に参加した。
 広島国際アニメーションフェスティバルを広島に誘致し、その後のこともあり、1961年カンヌ映画祭から分離独立したフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭を見たくなった。アヌシーにはフィルムマーケットもある。映画「こんにちはハーネス」の海外への普及を委託していた大映を窓口にフィルムマーケット/MIFAの参加証を得た。

MIFAとは  アニメーション見本市MIFAの機能
 世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭に併設される。
 MIFAは、THE INTERNATIONAL ANIMATION FILM MARKET(国際アニメーション映画マーケット)で、アニメーションに特化した世界で最も大きな見本市である。見本市を運営するのはCITIA。

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 フランスのパリに在住の今城さんに御世話になった。映画祭では今城、木下蓮三・小夜子夫妻、久里洋二、田名網敬一、藤幡正樹、なみきたかし、秋山さん達と一緒になった。

 アヌシーはスイスとの国境にあり、ヨーロッパの中では水の透明度が最も高いといわれているアヌシー湖に囲まれた美しい町、昔はサヴォワ公国の首都であったこともあり歴史の街、世界遺産になっている。ヨーロッパのリゾート地、人口は5万人と聞いていたが沢山の外国人の観光客で賑わっていた。

 アヌシー国際アニメーション映画祭として、街じゅうに映画祭のポスター、バナーが掲示されていた。

 プログラムの上映は、映画祭会場のホールに3スクリーン、そして市内の映画館、ホールに5スクリーンもあり見逃した作品は後日見れた。上映は11:30、13:30、15:00、17:30、20:00、22:30と一日六回上映、22:30からの回は終了が24:00となり疲れた。

 久里洋二、田名網敬一さんの作品関連展示もあり、日本のアニメーターのレベルの高さを確認した。

 第1回を開催した広島は、規模でなく、『広島らしさをアピール』する必要を感じた。即ち、「広島市民みんなが歓迎する」こと。

 この映画祭には、高校3年生の長男と参加した。

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posted by T.K at 22:15| Comment(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月13日

私的、広島と映画とアニメーション論 36 アニメ映画『はだしのゲン・2』

36 アニメ映画『はだしのゲン・2』

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 1984年12月8日から1週間、劇場(名画座)で上映したアニメ映画『黒い雨にうたれて』は苦戦した。原爆映画はやはり夏の上映・・・・・? の思いを強く感じた・・・・・。

 1985年、中沢啓治さんはアニメ映画『はだしのゲン・2』をゲンプロダクションで製作と発表。広島映画センターは田辺昭太郎をプロデューサーとして送り製作協力した。アニメ映画『はだしのゲン・2』は1986年5月に完成した。
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■かいせつ■
 今から四十一年前、第二次世界大戦の時、広島に原子爆弾が落とされました。1945年8月6日、この映画の原作をかいた中沢啓治さんが小学一年生だったときのことです。中沢さんは、その原爆を受けた子どものころの体験をもとにして、劇画「はだしのゲン」をかき、世界中の人々に大きな感動をあたえました。

 この映画『はだしのゲン・2』の物語も、中沢さんが子どもだったころ、広島の町で本当におこったできごとなのです。長編アニメーション『はだしのゲン』から三年、『はだしのゲン・2』では主人公中岡元は、四年生になりました。新しい友達“エンコウの政”や“勝子”“ドングリ”“ムスビ”なども登場してゲンや隆太と一緒に涙と笑いの大活躍をします。

 この映画の監督は平田敏夫さんです。

 今年は、国際平和年です。『はだしのゲン・2』はみんなに生きる勇気と平和へのねがいをとどけてくれることでしょう。
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 1986年を国連は国際平和年としたので国際平和年記念映画とした。また広島映画センターとしては広島平和教育映画ライブラリー十周年記念映画として位置づけた。

 1986年5月 アニメ映画『はだしのゲン・2』広島県内86市町村完成披露試写会を行い、1986年学校上映作品として位置づけた。鑑賞料金は、小学生1人300円・中学生1人300円。出張映写料は無料として取り組んだ。12月末、9万人が鑑賞した。



posted by T.K at 02:32| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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